この記事は、2021/5/8にリライトしました。
まとめ
・不妊治療の市場は拡大している。
・患者、企業、医療サイドの橋渡しをして、win-win-winの面白いビジネスモデル。
・直近の決算の結果は問題なく、順調に企業成長していると思われる。ただし、ガイダンスは弱め。
・今後の株価は、グロース株のため、テーパリングに注意が必要。
不妊治療の市場規模
プロジニーの資料によれば、8組に1組の夫婦が不妊症に苦しんでいます。
これは、糖尿病、喘息、うつ病よりも不妊症の方が多いということを示し、潜在的な市場規模は大きいです。
加えて、世界的な不妊治療クリニックの増加、技術の進歩、官民一体となった投資・資金・助成金の増加、ひとり親や同性カップルによる代理出産の採用増加などに不妊治療市場が成長しています。
世界全体の不妊治療の市場規模は、2018年の約15億ドルから2023年には22億ドルに成長し、年平均で約8%ずつ成長するという予測がされています。

フェムテックとは?
そこで注目されているのがフェムテックという考え方です。
「FemTech(フェムテック)」はFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた用語です。
女性特有の健康課題や現行の社会での困難をテクノロジーの力で解消するソリューション群の総称のことを指します。
女性の社会進出が進んでいる現在、この考え方は浸透しつつあります。
プロジニー($PGNY)企業概要とビジネスモデル
不妊治療の市場拡大を阻害しているのが、不妊治療が非常に高額ということです。
米国での治療費は、約700万とも言われています。
プロジニーは、会社の福利厚生として提供することで患者側が高額な治療費を払わなくても良くしてくれています。
会社側の利点としては、自社の福利厚生が充実していることを示すことができます。
さらに、医療側サイドには、安定した数の患者を提供することが出来ます。
顧客にはフェイスブックやマイクロソフト、グーグルといった大企業をもっており、フォーチュン500のうち80社がプロジニーのサービスを導入しています。

プロジニー($PGNY)のIR
こちらのHPから、IRを参照できます。
プロジニー($PGNY)の基本情報(2021/5/8時点)

PSRは11.59です。
プロジニー($PGNY)の売上とその成長率

2020.2Qには、コロナウイルスの影響をもろに受け成長率が急激に減少しました。
その後、持ち直しているものの完全な復活には至らず、50%前後の成長率となっています。
プロジニー($PGNY)のEPS推移

プロジニー($PGNY)のGross Marginの推移

プロジニー($PGNY)の直近決算(2021/5/8時点)
直近決算2021.1Q(2021/5/8時点)
◯EPS: $0.15(予想$0.08)
◯売上高: $122.1M(+51%)(予想$121.5M)
ガイダンス
Q2
✕EPS: $0.06~0.09 (予想$0.09)
✕売上高: $126~131M(予想$130.04M)
FY21
◯EPS: $0.33~0.41(予想$0.34)
✕売上高: $520~540M(予想$535.2M)
売上高、EPSともコンセンサス予想を上回りました。
しかし、弱めのガイダンスとなっています。

ART(不妊治療の件数)は前年同期比1.5倍近くに増加しました。
全メンバーの0.54%がサービスを利用しています。
サービス利用者は、2657000人でした。

売上は前年同期比50.6%増の$122,133となりました。
グロスマージンは、23.7%と改善しました。
S&MやG&Aもそれほど伸びておらず、営業が効率的になっています。

キャッシュフローの動きです。
営業キャッシュフローは$15166に増加しました。
投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローを増やしており、活発的な投資を行っているようです。

バランスシートです。
現金は減少しているものの、流動比率は、225%で安全性に特に問題ないと思われます。
プロジニー($PGNY)株価

2020.4Qはガイダンスが弱く売り込まれたもののすぐに復活。
2021/4/16に、中型株のインデックスであるS&P MidCap400入りを果たし、出来高を伴って新高値を更新しました。
2021/5/6引け後、ガイダンスが弱く2.0%超下落、雇用統計が弱かったことから、グロース株復活と思われましたが、その日は下落で終えています。
CEOは、コロナウイルスに対するワクチンが普及する事に伴って業績は復活すると発言したものの、ガイダンスの上方修正はなく、コンサバティブなガイダンスを出してきました。
プロジニー($PGNY)今後の株価どうなる?
特に決算に問題ないと感じました。
その割にコンサバティブなガイダンスを出してきたなという印象を持ちました。
とはいえ、グロース株は金融緩和のテーパリングの影響をもろに受けると思われるので、そこは注意が必要かと思います。