2020.12にNasdaqに上場したアップスタートについて書いていきたいと思います。
まとめ
・アップスタートは、AI融資のフィンテック会社。
・自動車ローン進出がカタリストとなっている。
・2021.1Qの決算は良決算で、売上成長率もYoYで90%近くある。
・6/14にロックアップ解除があるので、注意。
アップスタート($UPST) 企業概要とビジネスモデル
本社 | カリフォルニア州San Carlos |
CEO | Dave Girouard |
設立 | 2013年 |
IPO | 2020年 |
時価総額 | 7.844B |
CEOは、Dave Girouardで、アイビーリーグのダートマス大学を卒業後、アクセンチュアに就職、ミシガン大学でMBAを取得しています。
その後、アップルを経て、グーグルへグーグルクラウドとなる部門の立ち上げに携わりました。
その後、ThielフェローのPaul Gu氏、元GoogleのAnna Counselmanとともにアップスタートをスタートさせます。
ビジネスは、AI融資のフィンテックです。
融資には、FICO scoreといって、返済履歴や借入残高・利用率、信用履歴の長さ、利用しているクレジットの種類・構成などを総合したクレジットスコアが用いられる事が多いですが、アップスタートでは、FICO scoreに加えて、信用情報や収入、学業成績や専攻分野、GPAの成績、職歴等を総合したビックデータをAIを使用して与信能力を予測しています。

これによって、従来融資から漏れていた将来有望な高学歴の人にも融資が行えるようになります。
1000ドルから5万ドルのローンを7%から36%の金利で提供するプロダクトが主な商品です。
アップスタートの強みは、71%の高い承認率と低金利、書類のアップロード、電話、待ち時間がないことです。
銀行には、クレジットへの方針とリスク許容度に合わせてカスタマイズ可能なプログラムを提供しています。
売上の96%が銀行やサービス会社からの手数料です。
2020年には、自動車ローンへの進出しています。現在は、1州のみでビジネスを展開していますが、33州に拡大していく予定です。
CEOによれば、自動車ローン市場は、自動車ローン業界は、個人向けローンの約6倍の規模であるとしており、ミスプライスと非効率性があるとしています。
Prodigyという自動車販売店のためのShopifyと呼ばれている会社を買収しこのような大きな市場へ進出していくことでさらなる成長を狙っています。

アップスタート($UPST)のIR
こちらのHPから、IRを参照できます。
アップスタート($UPST)直近決算(2021/5/15時点)
直近決算2021.1Q(2021/5/12発表)
◯EPS:$0.22 (予想$0.15)
◯Revenue: $121.35M (+89.6% Y/Y) (予想$116.06M)
売上高、EPSともコンセンサス予想を上回りました。

ガイダンスも非常に強く、売上は、$150-160M、コントリビューションマージンは44%を予測しています。
アップスタート($UPST)KPI

ローンの取引は、178000件で、成約率は22%でした。
取引高は、$1729でした。
いずれも過去最高を記録しています。
アップスタート($UPST)のP/L
売上と成長率

売上は驚異のYoY(前年同期比)で90%成長です。
2020.2Qに業績が落ち込んだのは、新型コロナウイルスのためです。政府の景気刺激策の影響で消費者からのローン需要が弱まってしまい、業績が低迷していました。
Contribution ProfitとContribution marginの推移

Contribution Margin(手数料収入から借り手の獲得・確認・サービスにかかる変動費を差し引いた非GAAP指標)は、46%でした。
一般管理費、研究費、マーケティング費

General and administrative(一般管理費)、Engineering and product development(エンジニアリング及び製品開発費)Customer operations(カスタマーオペレーション費)、Sales and marketing(マーケティング費)です。
Adjusted EBITDAの推移

Adjusted EBITDA は、順調に増加しています。2021.1Qには、Adjusted EBITDA Marginは17%でした。
アップスタート($UPST)のB/S

自己資本比率 | 66.54% |
自己資本比率は66.5%と比較的高く安全性に大きな問題はなさそうです。
アップスタート($UPST)のC/F

営業キャッシュフローは着実に伸びています。
アップスタート($UPST)の株価(2021/5/15時点)

YTD153.64%で、今年に入って株価は堅調に推移しています。
前回の決算、今回の決算もよく、決算前後で、激しい株価上昇がみられました。
アップスタートのバリュエーション(2021/5/15時点)

現在のPSRは、26.2で年初からの平均ぐらいの水準にあります。
売上成長90%近い企業としては、まだまだ買える水準にあると思っています。
アップスタート($UPST)今後の株価はどうなる?
2021/5/12の決算は良かったですし、自動車ローン参入というカタリストもあり、PSRも26.2という水準に割高感はないと思っています。
あとは、ロックアップ解除が6/14にあるので付近は注意が必要です。