まとめ
・ジーステイラーは、セキュリティウェブゲート(SWG)のリーディングカンパニー
・クラウドストライクとは協力関係にある
・2021年3Q決算はEPSが大幅にBeatした。
・フリーキャッシュフローも大幅に改善。
・今後もサイバーセキュリティは世界的なトレンドとして期待したい。
ズィースケイラー($ZS) 企業概要とビジネスモデル
本社 | カリフォルニア州サンノゼ |
CEO | Jay Chaudhry |
設立 | 2007年 |
IPO | 2018年 |
時価総額 | 23.482B |
ジースケイラーはクラウド型セキュリティのプラットフォームをSaaSとして提供している企業です。
近年、テレワークの普及によって、クラウド型のセキュリティが好まれています。
サイバーセキュリティもバズ用語になっていますね。
ズィースケイラーはトレンドど真ん中のサイバーセキュリティ銘柄です。
日本では、クラウドストライクの影にひっそりと隠れてしまっているのが、少し残念です。
プロダクトとしては、
Zscaler Internet Access(ZIA):クラウドベースでの、モバイル端末、本社、支社のセキュリティ保護
Zscaler Private Access(ZPA):社内アプリを守るゼロトラストネットワークアクセス
Zscaler Digital Experience (ZDX):エンドユーザーのためのデジタルエクスペリエンスを提供
Zscaler Cloud Protection(ZCP):クラウド・ワークロードのセキュリティ確保に必要な作業を軽減
があります。
ズィースケイラーは、Gartner社のセキュリティウェブゲート(SWG)部門で唯一のリーダーに位置付けられています。
セキュリティウェブゲート(SWG)とは、Webアクセスを中継する役割のプロキシサーバに色々なセキュリティ管理機能を付加したものとなります。
Zscaler Web Securityのメリットとして、HPでは、
セキュアWebゲートウェイにとどまらない機能
https://www.zscaler.jp/solutions/web-security
セキュリティモデルのトランスフォーメーション
容量制限なし
完全なSSLの可視化
完全な統合
優れたクラウドインテリジェンス
が挙げられています。
クラウドストライクとの違い
クラウドストライクは、EDR(Endpoint Detection and Response)を提供しています。
つまり、エンドポイント(PCやモバイル端末)から、情報を集めて、クラウド上で分析、セキュリティを更新し続けるシステムです。
対して、ズィースケイラーは、プロキシサーバーから各々の端末にセキュリティを提供するプラットフォームを提供しています。
セキュリティという同じ製品を提供しているように見えますが、各々のサービスには相互関係にあり、実際に事業統合をしています。
ズィースケイラー($ZS)のIR
こちらのHPから、IRを参照できます。
では、直近決算を見ていきましょう。
直近決算(2021.3Q)
◯EPS: $0.15 (予想$0.07)
◯売上高: $176.4M (+60%)(予想$163M)
◯Q4ガイダンス
売上高: $185~$187M(予想$173.89M)
EPS: $0.08~$0.09 (予想 $0.09)
売上、EPS、ガイダンスともに予想を上回りました。
決算ハイライト
・売上はYoY(前年同期比)で60%増の1億7640万ドルでした。
・請求額はYoY(前年同期比)で71%増の2億2500万ドルでした。
・前受収益はYoY(前年同期比)で65%増の4億9540万ドル でした。
・GAAPベースの純損失は5850万ドル(前年同期はGAAPベースの純損失1930万ドル)でした。
・非GAAPベースの純利益は2140万ドル(前年同期は非GAAPベースの純利益1030万ドル)でした。
ビジネスハイライト
・Trustdome社を買収し、イスラエルに開発センターを設置、グローバルな活動拠点を拡大しました。
・Smokescreen Technologiesを買収する合意に署名しました。
・Zscaler Zero Trust Exchangeプラットフォームのセキュリティを強化、デジタルビジネスを保護するための新しいプログラムを発表しました。
・CrowdStrike社との事業統合により、エンドポイントからアプリケーションまでのエンドツーエンドのセキュリティ保護を実現することを発表しました。
・BMセキュリティとの提携を発表しました。
ズィースケイラー($ZS)のP/L
売上と成長率

売上は年々キレイな右肩上がりです。売上成長率は徐々に加速しています。
粗利と粗利益率の推移

年々、粗利は上昇傾向であり、%で見ても78%前後で安定しています。
EPSの推移

EPSの推移です。未だEPSはマイナスですが、マイナス幅が拡大していましたが、2021.3Qでは、マイナス幅が縮小しています。
ズィースケイラー($ZS)のB/S

流動比率 | 301.92% |
自己資本比率 | 24.64% |
自己資本比率は、26.64%ですが、流動比率は301.92%で十分なキャッシュがあります。
ズィースケイラー($ZS)のC/F

フリーキャッシュフローは、前年8%から、32%と大幅に改善しています。
ズィースケイラー($ZS)の株価

2021年2月に230ドルをつけて以降、株価は下落しています。
2021年5月25日の決算を受けて、プレマーケットでは、7.13%上昇しています。
決算が下落トレンドを打ち消すカタリストとなるかに注目です。
ズィースケイラー($ZS)のバリュエーション(2021/5/26時点)

現在のPSRは、44.2と比較的高いPSRが許容されています。
40%ルール
売上成長率+営業利益率で計算される40%ルールでは、
60%+(-24.85%)=35.15%<40%
40%未満となっています。
ズィースケイラー($ZS)今後の株価はどうなる?
強い決算を受け、プレマーケットでは大幅に上昇しています。
このまま、上昇トレンドに戻れるかに注目です。
一見競合に見えるクラウドストライクとは協力関係にあります。
サイバーセキュリティは、今後も世界で重要なテーマになると思っています。
サイバーセキュリティ、特にセキュリティウェブゲート(SWG)のリーディングカンパニーとして、ジーステイラーには期待したいです。