今回は、ジム・クレイマーのジム・クレイマーの株式投資大作戦から学んだ個別株天井での売り抜け方について、まとめていきたいと思います。
ジム・クレイマーの経歴
1955年生まれ。
1977年にハーバード大学を卒業する。
1984年ハーバード法科大学院を卒業する。
その後、ゴールドマン・サックスに入社し、トレーダーとしてのキャリアをスタートする。
1987年に独立し、ヘッジファンド「Cramer Berkowitz」を設立する。
1990年代後半から、ローエンス・クドロウと共に「America Now」および「Kudlow & Cramer」で司会を務める。
2005年〜『Mad Money』でホストを務める。
バイ・アンド・ホールドではなくて、バイ・アンド・ホームワークをせよ
バイ・アンド・ホールドとは、買った銘柄を長期間持ち続ける投資方法です。
バイ・アンド・ホールドの落とし穴は、株価がピークをつけることはあり得ないと仮定していることです。実際には、たくさんの銘柄がピークをつけています。
ジムクレイマーは、バイ・アンド・ホールドではなく、バイ・アンド・ホームワークをせよと本書で言い続けています。
バイ・アンド・ホームワークとは、保有する個別銘柄について、週1時間はホームワークの時間をとる事です。
バイ・アンド・ホームワークを行い、個別銘柄の天井を見極めることが、個別銘柄の投機では必要です。
では、個別銘柄の天井を見極めるためには、何を見ていけばよいでしょうか。
順番に見ていきましょう。
新規参入者が現れたと聞いたら注意

個別銘柄の株価のピークの約70%は、競争環境の悪化に起因する
まずは、新規参入者が現れたら注意です。
他の企業が参入してきて、保有銘柄の収益基盤が破壊されるときに株価がピークとなります。
新規参入者は、保有銘柄と同じ製品やサービスを収益性を犠牲にして安く提供し始めようとします。
そうすると、価格引き下げ競争が始まってしまい、収益性が損なわれてしまい、株価が急降下してしまいます。
競争環境や市場環境、参入障壁を分析することが重要となってくると思います。
経営者が業績数字のことで口を濁し始めたら注意

株式投資は業績数値を予想するゲームだ
経営上の問題について言葉を濁す
業績のことを具体的にしゃべらなくなる
大きな構想をぶち上げる
強気のCEOが急にトーンダウンする
威勢を張る
など等が見られた場合は、売りのサインです。
そのためには、カンファレンスコールを聞いたり、インタビューや関連記事に目を通すことが必要です。
私は、カンファレンスコールはSeeking alpha、インタビューは、CNBC、関連記事はYahoo finance US、ブルームバーグを参照しています。

成長剤(M&A)を注射し始めたら注意

ウォール街にとって、M&Aほど素敵な商売はない。
ジムクレイマーは本書を通じて、企業成長こそ企業経営の唯一の目的と主張しています。
しかし、M&Aによる企業成長には気をつけろといっています。
企業内部で健全な成長が出来ないために成長を買うことがあるためです。
また、M&Aは急速な成長を可能にしますが、同時に大きな経営問題を生むことがあるとも述べられています。
政策変更に潜むマイナス要因に注意
The New York Times – Breaking News, US News, World News and Videos (nytimes.com)
アナリストたちは、企業の内部要因に基づく利益の成長性に注目するあまり、政府の政策変更を見逃しがちです。
ニューヨークタイムズの第一面の記事を見るようにしましょう。
小売りが全国展開を終えたら注意
一般的に、小売りの天井の指標としては、同一店舗の売上高が挙げられます。
しかし、ジムクレイマーはそれだけでは不十分であると考えています。
小売り銘柄の本当の売り時は、すべての州に出店し終わって、もはや規模成長が得られないときにくるだと述べています。
店頭に流行品があふれ出したら注意
流行品を扱う銘柄を触っている場合、品切れ状態が解消され、店頭に流行品があふれ出したら、未練を捨てて株式を処分することが大切です。
そのためには、商品を取り扱っている店の状況を注意深く観察し、丹念にカンファレンスコールを聞きホームワークをこなすことが重要です。
人気企業が安値で経営陣保有株を売り始めたら注意
インサイダーは、万事休したことを知っているから、保有株を売りに出します。
安値で保有株を売り始めたら飛びつかず、「安値による経営陣保有株の売出しは売り」というルールを守りましょう。
粉飾が表面化したら迷わず売る
粉飾が表面した時点で、期待通りの企業成長は達成出来ません。
粉飾が明るみに出て株価が大きく下落した全てのケースいついて、直ちに売却する事が常に正解でした。
市場全体が加熱状態になったら注意
株式市場は、加熱状態になることが多々あります。
ジム・クレイマーは、その指標の1つとして、ブルベア比率でブルが50%を上回った時はいつ火傷をしてもおかしくないと考える事が必要としています。
ブルベア比率は、
ここからブル比率を見ることが出来ます。