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ドクシミティー($DOCS)株価分析 注目の2021年IPO、米国版エムスリー

docs

まとめ

・ドクシミティは、医師のためのデジタルプラットフォーム
・売上成長率83.4%
・グロスマージン88%
・フリーキャッシュフローマージン38%
・40%ルールは121
・財務はピカピカ
・コロナによる追い風を受けていた可能性がある
・医師にあまり使われていないという噂がある

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ドクシミティー($DOCS) 企業概要とビジネスモデル

本社カリフォルニア州 サンフランシスコ
CEOJeffrey Tangney
設立2010年
IPO2021年

ドクシミティの会社の経営理念は、

to help every physician be more productive and provide better care for their patients

内科医の生産性を高めること、そして、患者により良いケアを提供すること

です。

IPO時の幹事は、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、JPモルガンなどです。

ドクシミティの事業は簡単にいうと、医師のためのデジタルプラットフォームです。

日本でいうエムスリーやメドピア、ケアネット等と事業は似ています。

2021年3月31日時点で180万人以上の医療従事者が会員であり、これは、全米50州およびすべての医療専門分野の医師の80%以上が含まれています。

医師はドクシミティを無料で利用することができます。利益は、製薬会社やヘルスケア会社からであり、医師という商用ソリューションを提供することで、獲得しています。

製薬会社がドクシミティのようなプラットフォームを利用するインセンティブは、医師が医療における重要な医師決定者で、米国の医療費総額訳約4.0兆ドルのうち73%以上を指示していることにあります。いわば、医師が登録しているプラットフォームという存在自体に価値があります。

そのためにドクシミティはたくさんのサービスを医師に提供しています。

①医療従事者向け

ドクシミティーS1より

Professional Network

LINKEDINのようなSNSサービスです。

学歴やトレーニング、所属する病院や診療所の連絡先、資格や免許、専門分野や臨床の専門知識、発表された研究報告や報道へのリンク、臨床試験への参加、受賞歴などをプロフィール欄に記載し、互いに連絡を取り合うことを可能にします。医師会員1人あたり平均50人以上とつながっているようです。

また、会員は、検索を使って、名前、専門分野、専門知識、所属、場所などから他の医療関係者を探すことができます。これによって、患者の紹介等がスムーズに行われることが可能となります。

医師がトレーニングから退職までのキャリアを効果的に管理するためのいわば求人サービスを提供しています。給与マップなんてものもあるようです。

Newsfeed

機械学習やAIを活用して、メンバーごとにパーソナライズされた厳選したニュースフィードが作成されます。

最近の臨床試験や研究結果に関する情報を、デスクトップやモバイルで動画形式で閲覧できます。

スポンサーリンクとして、製薬会社や医療機関のお客様と協力して作成した、医薬品、臨床試験、ガイドラインやリソース、医療や患者ケアのトレンドに関する情報を閲覧できるサービスです。

お互いに議論したり、研究の著者に直接質問もできるようです。

Productivity

こちらは日々の業務を効率化するツールになります。

デジタルFAXや電子署名、テレヘルス(遠隔医療サービス)を提供しています。

②製薬メーカー、医療機関、医療系人材紹介会社、ヘルスケア企業向け

ドクシミティーS1より

こちらが収益の肝です。

これらのサービスをサブスプリプション方式で提供しています。

Marketing Solutions

製薬メーカーや医療機関にデジタルマーケティングプラットフォームを提供し、医師の臨床現場に関連性の高いコンテンツを医師に提供しています。製薬メーカーはブランドごとに、医療機関はサービスライン(耳鼻科や眼科、内科etc)ごとにキャンペーンを実施します。

Awareness:認知度を高め、知名度を上げる
Interactivity:会議への出席、営業担当者との連絡、アポイントメントの予約、製品サンプルの注文などのデジタルアクティビティを可能にする
Peer:オピニオンリーダー、部門長、その他の専門家とメンバーがつながり、専門的な関係を構築することを可能にする

これらのマーケティングサービスを使うことができます。

Hiring Solutions

医療システムと医療系人材紹介会社の両方に、Doximity上で医療従事者を検索し、採用につなげることのできるサブスクリプションを提供しています。

Telehealth

医師向けに提供しているDialer FreeとDialer Proに加え、Dialer Enterpriseとして、遠隔医療ソリューションを求める医療機関や病院にサブスプリプションモデルで提供しています。

ドクシミティー($DOCS)のIR

Doximity in the Press
Doximity Press Release

こちらのHPから、IRを参照できます。

ドクシミティー($DOCS)のKPI

ドクシミティは、サブスプリプションモデルを採用しています。

KPIとして企業が重視しているのは、まずは、

Number of customers with at least $100,000 of subscription revenue

$100,000以上のサブスプリプション売上のある企業の数です。

ドクシミティーS1より

順調に右肩上がりで成長しています。2021年度に成長が加速しているのが、素晴らしいです。

Retention Rate(既存顧客維持率)、これは、顧客との契約期間が終了した数に対して、引き続き維持される数の割合です。SaaS企業の場合、顧客の維持が重要となってきます。クラウドストライクなどでも重要なKPIとして認識されている指標になります。

ドクシミティーS1より

Net revenue retention rateは、130%以上をキープしており、2021年度には、153%が維持されています。これは非常に高い数値と言えるでしょう。

ドクシミティー($DOCS)のP/L

売上と成長率

ドクシミティーS1より

四半期ごとの売上です。Growth rate(成長率)はYoYで計算してあります。順調に右肩上がりで成長して、成長率が加速しています。

粗利と粗利益率の推移

ドクシミティーS1より

グロスマージンは、驚異の88%でかつ安定しています。

一般管理費、研究費、マーケティング費

ドクシミティーS1より

サブスプリプションモデルとしては、バランスの取れた構成と思います。

Adjusted EBITDAの推移

調整EBITDA(利払い前・税引き前の償却前利益)の推移です。こちらも順調に推移していると思います。

ドクシミティー($DOCS)のB/S

流動比率205.21%
自己資本比率26.51%

IPO前のバランスシートとは思えないほど豊富なキャッシュです。流動比率もすでに200%を超えています。

ドクシミティー($DOCS)のC/F

(in thousands)

本業の儲けである営業キャッシュフローは年々順調に成長しています。

フリーキャッシュフローマージンは、37.88%と豊富すぎるキャッシュを持っています。

40%ルール

売上成長率+FCFマージンで計算される40%ルールは、

83.44%+37.88%=121.32

ととんでもない数字です。

ドクシミティ($DOCS)の株価

finzizより

初日、株価は41.17ドルでスタート、一度は53.89ドルの高値をつけ、6月24日の終値は53ドルでした。これは、オファー価格から約104%もの上昇です。

今の所、その後も順調に株価は推移しています。

ドクシミティ($DOCS)のPER、PSR(2021/6/29現在)

PER(TTM)127.34
PSR(TTM)10.48

PERは127.34で比較的高PERが許容されています。

ドクシミティー($DOCS)のRisk Factor、気になった点

最後にS-1のRisk Factorで気になった点についてまとめておきます。

エムスリーなどと同様にCOVID-19がテレヘルス、ドクシミティの成長を加速させました。
今後、ワクチンが普及しCOVID-19が収束に向かった場合、思うような成長率が出てこない可能性には留意が必要です。

ただし、雇用市場に対しては、プラスに働くと思うので、そこをどう考えるかですね。

また、テレヘルスは競争が激しくなっている分野でもあります。

テラドックはもちろん、アマゾンなどの新規参入も目立っています。

この利益率を保っていけるかは、少々疑問が残るところでもあります。

また、米国医師の方でそんな使われていないという噂も見かけました。

医師の会員数やアクティブユーザー数は、直接業績には関係ないものの、医師に使われていないプラットフォームに医療機関や製薬会社がお金を出すとは考えづらいです。

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