今回は、良決算を発表した2020.12にNasdaqに上場したアップスタートについて書いていきたいと思います。
まとめ
・アップスタートは、AI融資のフィンテック会社。
・自動車ローン進出がカタリストとなっている。
・前々回、前回に続き、2021.2Qはかなりの良決算だった。
・2021/8/13の時点で、チャートはカップを形成。出来高を伴っており、今後も期待できる。
・時価総額の小さな銘柄でボラティリティに注意。
アップスタート($UPST) 企業概要とビジネスモデル
アップスタートは、AI融資のフィンテック会社です。自動車ローンへ進出し、事業拡大しています。
アップスタート($UPST)のIR
こちらのHPから、IRを参照できます。
アップスタート($UPST)直近決算2021.2Q決算(2021/8/11)
直近決算2021.2Q
○EPS: $0.62(予想$0.25)
○売上高: $194M(+1,018%)(予想$157.8M)
売上高ガイダンス
○Q3: $205~215M(予想$161.64M)
FY21: $750M(上方修正)(前回$601.12M)
売上高、EPSともコンセンサス予想を上回りました。
売上高のガイダンスが大幅に引き上げられました。
売上は$194 millionで、2020年第2四半期比で1,018%の増加となりました。
手数料収入合計は$187 millionで、前年同期比1,308%の増加となりました。
取引量とコンバージョン率について。銀行のパートナーは、第2四半期に当社のプラットフォームで286,864件、総額28億ドルのローンを組成し、前年同期比で1,605%増加しました。レートリクエストに対するコンバージョン率は、前年同期の9%から、2021年第2四半期には24%となりました。
営業利益は$36.3 millionで、前年同期の$11.4から増加しました。
GAAPベースの純利益は$37.3 millionで、前年同期の$6.2 millionから増加しました。調整後純利益は$58.5 millionで、前年同期の$3.7 millionから増加しました。これにともない、当四半期の加重平均発行済普通株式数に基づくGAAPベースの希薄化後1株当り利益は$0.39、希薄化後調整後1株当り利益は$0.62となりました。
貢献利益は$96.7 millionで、2020年第2四半期に比べて2,171%増加し、貢献利益率は2020年第2四半期の32%に対し、52%となりました。
調整後のEBITDA 調整後のEBITDAは$59.5 millionで、前年同期の$3.1millionから増加しました。2021年第2四半期の調整EBITDAマージンは総売上高の31%で、2020年第2四半期の18%から上昇しました。
アップスタート($UPST)KPI

ローンの取引は、287000件で、成約率は24%でした。
取引高は、$2795 millionでした。
いずれも過去最高を記録しています。
アップスタート($UPST)のP/L
売上と成長率

売上は驚異のYoY(前年同期比)で1017.65%成長です。2020.2Qがコロナの影響をモロに受けたためですね。
QoQ(前四半期比)でも、59.83%増で、成長率は加速しており、非常に好調な事が伺えます。
Contribution ProfitとContribution marginの推移

Contribution Margin(手数料収入から借り手の獲得・確認・サービスにかかる変動費を差し引いた非GAAP指標)は、52%でした。
Marginが切り上がっているのは、高評価です。
自動車ローンのContribution Marginは、個人ローンと同程度に落ち着いているようです。
しかし、マーケティングおよびオペレーションへの投資を加速させていく中で、この貢献利益率の水準は今後数四半期にわたって低下していくものと会社側は、予想しています。
一般管理費、研究費、マーケティング費

General and administrative(一般管理費)、Engineering and product development(エンジニアリング及び製品開発費)Customer operations(カスタマーオペレーション費)、Sales and marketing(マーケティング費)です。
マーケティング費が、大幅に増加していますが、それは、過去の借り手に対するマーケティングを継続的に強化しており、これが成長に大きく貢献したとのことです。
Adjusted EBITDAの推移

Adjusted EBITDA は、順調に増加しています。特に2021.2Qには、凄まじいAdjusted EBITDAの増加率です。
Adjusted EBITDA Marginは驚異の31%です。
アップスタート($UPST)のB/S

自己資本比率 | 79.16% |
自己資本比率は79.16%と高く安全性に大きな問題はなさそうです。前期よりも比率が上昇しています。
アップスタート($UPST)のC/F

営業キャッシュフローも着実に伸びています。
アップスタート($UPST)の株価(2021/8/13時点)

YTD362.13%で、今年に入って株価は堅調に推移しています。
前々回、前回に続いて、今回も良決算を発表し、株価は、鰻登りです。
ちょうどカップを形成したようにも見えます。
アップスタートのバリュエーション(2021/8/13時点)

現在のPSRは、33.3で年初からの平均より少し高めぐらいの水準にあります。
アップスタート($UPST)今後の株価はどうなる?
ポジティブな点
・自動車ローン参入により、売上高の成長率がとんでもないことに。
QoQで見ても、50%前後と事業は絶好調のようです。
・収益性も申し分ありません。
・チャートとしてカップを形成しました。カップを形成し、出来高も伴っています。
ネガティブな点
・一気に上がりすぎています。PSRも高めです。
・もともとボラティリティが大きかった同銘柄ですので、今後もボラティリティが大きくなる可能性があるのでそこは注意が必要と思います。